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松合醤油 / 熊本

医食同源


 

いまから190年以上前のお話です。

松合は、お味噌、お醤油、お酢などの醸造が栄えていた街。

 

熊本・八代でそだてられた大豆と小麦は船にのり、松合へと届きます。

その大豆と小麦たちは、美味しいお水と、日当たりの良い温暖な気候と出会い

風土を生かした、松合のお醤油となりました。


醸造されたお醤油は、松合の漁港でとれた美味しい魚と、また船に乗り違う土地へと運ばれてる営みがありました。

兄弟会社との2人3脚

8年前につくられた新しいタンクは、

兄弟会社である醗酵プラント設備会社「東洋テクノ」で作られました。

 

醸造について品質向上や生産性を上げていくために、

昔ながらの手仕事を残しながらも、

使い勝手を良くしたい。

安全に仕事したい。

 

そういった声を

東洋テクノのスタッフと現場で2人3脚で作り上げてきました。

昔ながらのこだわった作り方で、

機械化の良い部分と、安定した品質で作れるように考えて作り上げられました。

 

設備と製造を一緒にやっているのは

日本でも、おそらく松合食品だけ。

発酵タンクの中

仕込んだばかりのもろみが放つ良い香りが漂う。

 

発酵工程中のタンクの中にを見せていただきました。

仕込んでから1週間くらいは毎日混ぜます。

 

そのあとは静かにしておく。

 

アルコール発酵が始まったら酵母に酸素を与えるために

1日に数時間くらい空気を入れて発酵を促します。


 

発酵する醤油の色について

 

アルコール発酵して熟して

もろみがまた違う状態になるんです。

 

出来上がるまでに1年以上掛かります。

 

一般的な大豆を使って醤油を作るのは3か月~半年で作られますが、

松合食品の丸大豆醤油は、昔ながらの作りでつくられため、1年という時間をかけて熟成させてつくられます。

 

醤油の色は黒とか茶色をイメージされますが、 

新鮮なしぼりたての醤油は赤橙色と呼ばれる、赤く綺麗な美しい色。


 

発酵タンクの秘密


 

発酵で一番大切なことは、気温。

温水、冷水を入れることで

温度を安定させことが大切なこと。

麹作り

 

醤油作りに使われる麹は、とても元気が良く、そのままにしておくと温度がどんどん上がっていきます。

味噌、お米、麦の麹よりも発熱量が高いため、

夏場に冷やすのは大変な作業です。

 

冷やすためのエネルギーをたくさん使うのは、環境問題の面から地球負荷につながるので、

環境問題と品質面などを、総合的に考えて

夏場の7月~9月は仕込みは避け、

醸造に適した涼しい季節の10月くらいから仕込むようにしています。

 

麹の作り方は、

熊本産の有機栽培された大豆1.5tを釜に入れ

大豆を蒸しあげた後、小麦粉と混ぜ、そこに醤油の麹菌を入れて定着させていきます。

その間、さながら子育てのように、
その3日間は泊まり込み、24時間体制で

温度や状態を直接、目で見ながら確認をして麹を作っています。

 

昔からある、醤油作りの職人さんの格言では、

 

一麹(いちこうじ)、

ニ櫂(にかい)、

三火入れ(さんひいれ)

という言葉があって

 

一番目大事なことは、麹づくり。

二番目大事なことは、諸味(もろみ)

三番目大事なことは、火入れ(殺菌)


 

という意味です。

醤油作りの中で最も重要な工程ですね。

仕込み作業と同様に、麹をつくる場所の管理が何より重要なので

空間を綺麗に清潔に保つために、一週間に1回くらいのページで作業を行なっています。

 

麹作りは紆余曲折をしながら、常に考えて試行錯誤をしています。



 

麹を作る


 

麹は1回作る作業に対して、トータル3日間の時間を掛けて作っています。

 

麹に食塩水を混ぜて、タンクの中に仕込んでいきます。

それが醤油の仕込みといわれるものです。

 

そこから、ニ櫂(にかい)と呼ばれる諸味を攪拌していきます。

1年くらいかけて、仕込みの初期にあたる、序盤、中盤、終盤に分けて必要な作業をして

厳しく、品質の安定したものを入れていきます。管理をしていく。


 

三火入れ(さんひいれ)

最後に殺菌工程で、ボトリングする時に生のままだと、

乳酸菌などがまだ働いているので

ガスが出て、開けた時に醤油が飛び散らないように、

火入れをして、今まで働いてくれていた微生物の働きを止めることが目的です。

 

生の醤油に火を入れることで、焼きとうもろこしや焼きイカなどの香ばしい匂いがしますよね。食欲をそそる匂いになるという効果もあります。

 

でも、一番最初の麹を作るのが失敗していると

いくら火入れ名人が来ても、いい醤油にはならないのです。

やはり、最初の麹が一番重要です。


 

麹が直接触れるところは

ステンレスにして、洗浄できて、清潔に保つようにしています。

 

作り終わったタンクには、

中に人が入って高圧洗浄を使って洗っています。

洗浄には、3時間くらいかかり、タンクや配管などを全て作業するので、大変な仕事です。

 

準備や片付け、メンテナンスなども時間があるので、

実際に仕込みの作業ができるのは、週に1回になります。

 

連続で作ってしまうと、微生物と協力して行う作業なので、やはり品質が安定せずに落ちてしまうので、準備とチェックにしっかりと時間をかけて行うことを大切にしています。

熟成が終わった醪(もろみ)をここで絞っていきます。

 

1枚1枚折りたたんで絞っていく作業で

1日450枚ほど作業しています。

 

醪はタンクからポンプで送っています。

1枚あたり15L

 

こちらも1週間に1度くらいやる工程です。

 

絞る作業は1週間くらいかかります。

 

1日袋吊りをして、自然な重みで醤油がにじみ出てきます。

 

にじみ出てきたら、小さいプレス機で少しづつ押していきます。

一気にプレスすると油や雑味が出るので、じわーっと1日かけてゆっくりとプレスをしていきます。

それでも、滲み出なくなったら

さらに大きなプレス機に移動して

押し切りという作業で押し切ります。

 

通常、加工大豆を使った醤油は95%絞れるが

松合食品では、丸大豆でやっているので80%しか絞れないんです。

歩留まりの効率は悪いのですが、昔ながらのやり方を優先することを大切にしています。

 

残った20%の醤油カスや油は別の用途に使っています。

 

牛や羊に、夏の塩分補給として提供したり、

エビの養殖業者の方とかの方が、もらいに来ます。

 

副産物としてとても安い価格で提供しているので、実は大人気で、

予約待ちの状態なんです。

 

醤油として食べるだけじゃなくて、

そういった事でも社会の役に立っていることは、嬉しいことです。


 

醤油油を使って、石鹸も作っています。

タンクの洗浄にも石鹸を使い、循環させています。

元の素材が同じなので、

相性が良いのか、汚れがよく落ちるんです。

 

でも手とかが荒れてしまう方も中にはいます。

食器や車のベトベト汚れまで、実はきれいに落ちるんですよ。



 

松合食品のもろみは、熊本県産の大豆や小麦など

出所がはっきりしているので、

農家や畜産の方が安心して、うちの醤油かすを使いたいという気持ちがあるんだと思います。

 

生物と向き合うお仕事の方は、特に安全性への意識が強くて、喜んでいただけることで

醤油を通して、地域と循環できていることは、松合食品の誇りでもあります。


 

もろみの絞り

 

重ねていって

にじみ出るのがなくなったら絞っていきます。

 

絞ったお醤油はこのタンクにたまっていきます。

ドロドロしたのを絞るとこうなります。

 

10年前くらいまでは、これで大豆を包んで

豆菓子として売っていたんです。

 

手間がかかるので今はやっていませんが。

 

大豆の食物バーのような感じで、

食物繊維たっぷりなので健康食品みたいな感じです。

 

もちろん、これも食べれますよ。

美味しい成分の部分は、醤油が持っていってしまっていますが。

 

8割以上絞ると、油ばかりで醤油は取れなくなります。

植物性の大豆油ですね。



 

工場の改修工事


 

今設備の移設をしていて、

今週にはタンクが並んでいく。

 

10本くらいタンクが並ぶ。

醤油の瓶詰め

 

 

 

異物が入らないように密室で、瓶を洗い、醤油を詰めキャップを締める。

 

密室から出てきたら、ラベルを貼り、検品、箱詰めをしていきます。

 

1日1万本ほど生産しています。

 

検品には、カメラも使いながら、

賞味期限などをモニターでチェックしながら、作業しています。

 

卵掛け醤油も作っています。

醤油と鰹節で出汁をとり、

熊本の伝統の赤酒をブレンドして

卵掛け専用の醤油を作っている。

 

冷奴にかけてもおいしいですよ。



 

 麹菌について

 

麹菌自体は、信用している麹屋さんから買っています。

粉のような状態でうちに届きます。

 

アスペルギルス・オリゼ菌が

醤油・味噌・酢・お酒に使われる元の菌です。

このあたりは、土蔵白壁郡っていって

この町は江戸時代にすごく栄えたんです。

 

密貿易を

アワビとかなまことかを

江戸幕府に内緒で中国に密貿易をしていたという歴史があるんです。

 

松浦家は豪商の末端だったんですけど、

当時は、豪商もたくさんいて熊本1、2を争うお金持ちがこの町にいたということです。

 

今後は、

農林水産省が農泊っていうのをやっているんです。

 

農家に宿泊する事なんですが、

この街が開拓されて2か所でやっているんです。

 

予算がついて古民家を改築して

来年の夏くらいに代わっていく予定なんです。

ヤマアの意味

 

阿波屋は、米と対象で

昔は松浦という名前ではなく、敷島って方が代官でいたから松浦に変えたと

古い書には、書いてあるんです。

 

アのマークはあわやからとっています。

このマークが使われたのは、戦後からですね。

 

ヤマキ、ヤマサ、ヤマトとか

醤油さんは、ヤマを上に乗せているんですよね。

 

これは昔、味噌と醤油は神社で作っていたらしく、

その神社を表す意味としてヤマを付けているんです。

 

今は、使われていませんが、私の夢は、

やっぱりこの場所で、もう一度、木樽でお醤油づくりをしてみたいです。

蔵の中で蔵の歴史をめぐって


 

私の家は、工夫をする家でした。

 

一番小さい醤油屋で

一番貧乏だったけど、

結果としてうちだけが残ったのは

工夫する力と、ありがたいという、社会に対しての気持ちがあったから、

生き残れたんじゃないかと主人は言っていました。

醤油は仕入れたからといってすぐにお金にはならないし

1年くらい置いておかないといけないので、

お金がないと醤油屋は始められなかったらしいですね。

 

お兄さん達から分けてもらって細々と始めたようです。

蔵は江戸時代末くらいからある蔵です。

 

生きていたら170歳の祖父の親の親の代からある蔵なのですが、


 

この大きな蔵も、もともとはうちの蔵じゃなかったんですが、回ってきた蔵です。

やっぱり地域と密接して商売をしていたんですね。

 

潮見坂と言って、

漁師がここから潮を見て漁に行っていた。

 

当時は、水門もなかったのでここから海がよく見えた。

先代の思い

 

もともとは、先祖に1860年代生まれで京都大学医学部の初代皮膚科教授を務め

医食同源を提唱した松浦 有志太郎(まつうら うしたろう)という方がいて、

玄米が素晴らしいという事で。



 

先祖の方に、健康オタクの人材がいっぱいいたことで(笑)

ますます味噌、醤油、酢の原料にこだわり、

簡単な新式醸造の時代の流れに逆光して、

古来の作りに戻ろうっていう考えになったそうです。

 

熊本で有名な100人にも入る有名人で、ドイツとかに留学して、発明などもしていた方。

 

父は化学を勉強していたので、醸造設備を作る会社をつくるなどして、化学の

 

そういう人がいた事や、同じ志をもった方と出会い、

醤油もアミノ酸発酵で簡単に作るやり方ではなく、

原料にこだわった作りをしていく事なったそうです。

記録が残っているは1700年代からで、

そこから私たちの代までは家系図があります

熊本県立図書館に家系図が保管してあります。

 

地主でお金があれば

穀物が集まるので、それを活かす手として酒屋や醤油屋を始めた人がほとんどです。

 

熊本は100%地下水で賄ってるんです。

阿蘇の伏流水で全部地下水という恵まれた環境を生かして、

おうちの中に湧いてくるとこもあるんですよ(笑)。

 

水が豊富なのと、穀物が色々なところから集まってきた事で、

松合という町の、醸造業が発展しました。

 

震災で水道がストップした時は、近隣の方がタンクを持って皆さん来られました。

本当に自然の恵に感謝しています。

 

海が近いので利便性も良く

味噌も醤油も運ぶには、重いので、広範囲に発展してきました。

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